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おこめのねどこ

こめが寝る前や起きた後のちょっとした時間に書く記録や意見や日記です。

立ち読んだこと

おかしな日本語ですが。

 

 

勤め先の一角に自由に持ち出し可、という本があり、何となく気になって、柳田邦男の『大いなる決断』を手に取ってみた。

 

読んだのは、松下電器が、1958(昭和33)年の文化の日に出した、洗濯機に関する新聞広告についてである。

詳細は省くが、「地球上14億の女性の中からひとりえらんだあなたの奥さま」というキャッチコピーの広告になったらしい。

引き受けたのは、ナショナル宣伝研究所の竹岡氏。奥様の助言を受けて、というか、内容のほとんどは奥様が考えたとのこと。

 

奥様が重要だとしたのは、

・女性の心をつかむこと

・洗濯機が便利、というだけではいけない

 →買えたとしても、お姑さんの許しが出ない

・社長のビジョンも表現しなければならない

ということであった。ターゲットがはっきりしており、女性の置かれている現状と、会社としての重点とがきちんと押さえられている。

というか、この時から「ビジョン」という言葉を使っていたのか・・・。

 

奥様が構想を固めるにあたって、竹岡氏に対して調査を依頼したのが

・日本人と欧米人の生活時間の違い

・女性の平均的な月給

・全人類の人口

などであった。

生活時間は「自由」「家事」「保健」「睡眠」であり、日本については都市部と農村部に分かれていた。せっかくだが、内容は省く。ただ、結果はご想像いただければ大体それが正解である。

 

これらをもとに、日本の女性がいかに家事労働に時間を割かれているかを訴えかけるものとなるのだが、これに伴って、モデルに使うのは女優などではなく「庶民の主婦の全身像」となった。これも奥様の助言で、「今度の広告は男の目を楽しませても意味がない」である。ハッキリとした物言いである。

 

本書には広告は掲載されておらず、上記のキャッチコピーで探してみたらあるブログで見つけた。パナソニック本社にある、松下幸之助記念館に展示されているらしい。

 

そのころから、女性の家事労働に関する問題意識は増してきたのだろうが、家事は女性がすべきもの、という差別的な考え方が払拭できているとはとうてい言えない。58年経っているのだが。

 

ふとした立ち読みから気付くこともある、ということで、寝床でもなんでもないのだが、書いてみた。

 

 

大いなる決断 (1978年)

大いなる決断 (1978年)